『Circus』

例えば僕が詩と呼んで書き散らしている物は
どれも酷く個人的な愚痴にしか過ぎないのかもしれないし
それを喜んで読んでくれる少なからぬ人々は
ただの哀れみで微笑みを優しさを見せてくれているのかもしれない

サーカスは独りきりでするもんじゃない
独り善がりの児戯はサーカスには成り得ない

時々人々は自身の存在に懐疑的になって
在りもしない故郷や 心の拠り所や
胡散臭いルーツやら国民性やら
グローバルスタンダードの中のアイデンティティなんて
悲しくなるくらい矛盾した物を血眼になって探したりする

愚痴やお門違いの怨嗟はもう地上に溢れきっていて
少々シニカルに世界をくくってみたりもする

民主主義は主義のない壮大なドラマだ
脚本の存在しない実存主義のような物だ
唯一神を認める二元論のような物だ
ヴィトゲンシュタインを喜んで読む大学生を量産するだけだ
つまり今僕がやっているどうしようもない言葉遊びと
アイロニーになりきれない幼さという皮肉と
それらは同等の物でしかありえない

うわ 馬鹿馬鹿しいな
もう体裁なんてどうでも良いか
どちらに転んでも大笑いだし

サーカスは独りきりでするもんじゃない
でもそこにはあるルールも存在する
規制の品を残らず打ち壊そうとしている僕には
サーカスですら演じきれないのは明白じゃないか

例えば僕が詩と呼んで喜んでいるものは
どれもが詩的な物であるに過ぎない
詩が何なのか決定的に知らないのに
その言葉の響きに酔ってゲロまみれ
捧げられた賛辞をどこかで笑いながら
安い顕示欲を言葉に変えて
どこかの名無しのごんべえさんに献辞奉るだけさ
全く健全だ ああ とても素敵だよ
韻律の美しさには思わず情欲を掻き立てられる
ああ とても詩的だよ

言葉の中で幾度も『君』は殺され愛され笑わされ犯され
分解され祭り上げられ担ぎ込まれ恋い焦がれられ
無視され股間に頭を埋められ汚い物を含まされ
歌い上げられ歌い上げられ歌い上げられ
ご都合主義の産み出したあまりの美しさの中でぼんやりしている

そして『僕』はこんな何の迷いもない美しい日に
爽快だというただそれだけの理由で何度でも頭を撃ち抜いた

観客もなく舞台もスポットライトもシナリオもない
それでも僕たちがこんな場所で続ける
そう こんなサーカスは

そうだ こんなサーカスこそが

びっこを引きながらもおどけ続ける道化師
辿り着ける場所もないのに笑いを振り撒く
暗転 明転 また暗転
いつまで待っても流れてこない音楽を待ちかねて
それなら自分で歌ってやれ と
とても明快な気持ちの良さでこの場所を選んだ
迷いもなく 曇りもなく

サーカスは独りでやるもんじゃないから
次の場所に僕も行こう




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