200601
■2006/1/31 「冬枯れ」
 人生という単語で括るにはいささかぼんやりとしていて、僕は少しためらった後で「日々」なんて呼んでみたりする。白地図を前に、さあ何でも書き込んでやるぞと意気込んだのも束の間、主要道路さえない自由の迷路の中ですっかりうろたえて、転々と濡れた地図記号を落とすばかりだ。

 なんて自由だ。なんてありふれた人生だ。日々のために、人生のために、生きるために死にそうだ。世界はいつも両手に余ってしまうけど、折りたたんで仕舞う為には僕のポケットは小さすぎる。そして、かさばっている煙草や財布や携帯や愛を捨ててしまうのには、まだまだ意気地が足りないのだ。

 引出しの奥に隠しておいた青い日々をどうかあばかないでおくれ。

 言葉は尽きようとしているのにまだ自由に辿り着けない。まだ人生に身を委ねられない。天与の悲劇よ、僕らはただ存在の不思議さを胸に抱いて、遣い減る魂を歌い、消えていくだけだろう。溜息が出るような美しく照り輝く言葉に踊らされて、何とか意味をこじつけようとさえしている傍らで。

 言葉なんて必要としない、と強がる人こそ、悲しくなるくらい薄っぺらな愛の言葉を求めるのだ。冬の道の端で交錯する木の象形が軋む。だから無理もない。そう、だから無理もない。張り詰めた大気の中で凍結する言葉こそが僕が捨ててきた人生とやらだ。

 「日々」の中で生きることに否応もなく、置き忘れてきた自由を思い返すこともなく、言葉もなく。冬枯れの道に西風揺れる。

 突然消えてしまっていて申し訳ありませんでした。
 ネット環境が整いましたのでまた更新を再開します。


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