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『Nowhere』

失いたくないものがある
河辺に立って
俺達が言いたいのはそれだけ
一つも嘘はないけれど
立ち止まる人はいない


手に入れたいものがある
屋根の上に座り
輝く波頭の果てを見ながら
俺達が言ったのはそれだけ
飲み込まれていく
あの海を幾人越えただろう


この物語はついに語られず
登場すべき人物は埋葬された
酷く真面目なフィクション
虚構 恐慌 奇行 陽光
雨が通り過ぎたのなら
全てを燃やし尽くしに行こう
全てを終わらせに行こう


どこへ行こうか
あっちへ
道標 澪標
誰もいない場所へ
暗くて何も見えない
行き先なんて解らない
探しに行こう
忘れることはせずに
自分が何者なのかを
これから行き果てる旅路に


ここはどこでもない
故にどこでもある場所
結末の導き方を覚えてしまった
物語の限界を感じてしまった


なぜ想像は掻き飛んだのだろう
ネチャネチャする
この手はいつからか
吐き気がする
いつからこんなにも汚物にまみれたのだろう


濃い闇の中で光を探す
それは眩し過ぎてこの目を潰した
この静謐の中で炎を探す
それは大きすぎてこの身を焼き尽くした


これは死に至る病
これは至高の入り口
手に入れようとしたもの
守ろうとした物


爛れてずり下がる皮の下に隠されて
固まった妄想に引きずり出されて
引き回され 触れるだけ触れられて
伝わらない言葉にそっと毒を混ぜたんだ


ここはNowhere
どこでもない場所
どこでもある場所
夢の島に埋め立てられて建つ




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